美濃焼の種類とは?歴史や特徴・代表的なものを分かりやすく解説します
投稿日:2024.08.27美濃焼は、日本の伝統的な陶磁器として、長い歴史と文化を誇ります。
現代でも、私たちの食卓を彩る存在として、親しまれています。
この記事では、美濃焼の歴史、特徴、そして代表的な4様式について解説していきます。
美濃焼の魅力に触れ、皆さんも日々の暮らしに美濃焼を取り入れてみてはいかがでしょうか。
□美濃焼とは?日本の食卓を支える存在
美濃焼は、岐阜県東部地域で生産される陶磁器の総称です。
多治見市、土岐市、可児市、瑞浪市、笠原町などが、その産地として知られています。
美濃焼の歴史は古く、奈良時代の須恵器窯にまで遡るとされています。
室町時代末期には、瀬戸の陶工が美濃に移住し、本格的な生産が始まったと言われています。
1:美濃焼の特徴
美濃焼の特徴は、その時代のニーズに合わせて、新しい釉薬を開発し、技術を積み重ねてきたことです。
そのため、美濃焼には、さまざまな技法を用いた、多種多様な作品が存在します。
例えば、黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部など、時代を超えて愛される伝統的な様式も、美濃焼の特徴と言えるでしょう。
2:現代における美濃焼の役割
明治時代以降、美濃焼は技術革新によって、安価かつ大量生産が可能となりました。
その結果、岐阜県は、日本の陶磁器生産の約5割を占める一大産地へと発展しました。
現代においても、美濃焼は、私たちの食卓に欠かせない存在であり、その役割は、ますます重要になっています。
□美濃焼の種類とは?知っておきたい代表的な4様式
美濃焼は、その歴史の中で、さまざまな様式を生み出してきました。
中でも、黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部の4様式は、美濃焼を代表する様式として、知られています。
それぞれの様式には、独特の美しさや魅力があり、長い年月を経て、多くの人々に愛されてきました。
1:黄瀬戸(きせと)
黄瀬戸は、淡い黄色の肌が特徴的な様式です。
薄づくりの器に、草花などの文様が描かれたり、胆礬(緑の斑点)や褐色の焦げが施されたりすることがあります。
また、厚みがあり、ほとんど文様や焦げのない「ぐいのみ手」と呼ばれるものもあります。
2:瀬戸黒(せとぐろ)
瀬戸黒は、鉄釉をかけて焼成された、漆黒の器です。
鉄釉をかけて、1200度前後の窯で焼成し、引き出したあとに急冷させると、表面に深い黒が現れます。
それまでの黒い茶碗は、赤みを帯びたものが多く、瀬戸黒の「漆黒」の茶碗は、茶人たちを魅了しました。
瀬戸黒の器は、従来の丸みを帯びた茶碗とは異なり、高台が低く、裾の部分が角ばった半筒形をしているものも多いです。
既存の概念にとらわれない自由な造形も、瀬戸黒の魅力の一つです。
3:志野(しの)
志野は、細かな貫入(かんにゅう)と、ほんのりと赤みをおびた白い肌が美しい様式です。
「もぐさ土」と呼ばれる土に、白い長石釉(志野釉)をかけて焼成されます。
茶碗を中心に、水指や香合など、茶道具に多く用いられます。
志野には、無地志野、絵志野、鼠志野、紅志野、練込志野など、いくつかの種類があります。
4:織部(おりべ)
織部は、安土桃山時代に生きた、武人にして茶人であった古田織部が、自身の好みに合わせて造らせたと言われる様式です。
ゆがみも良しとする大胆な造形、鉄絵(鉄を含む顔料で描かれた絵)による意匠、鮮やかな緑色は、美濃焼を象徴するものです。
神官が履く靴をイメージさせる「沓茶碗(くつちゃわん)」は、縁の部分がぐにゃりと曲がり、当時の茶会で「へうげ(ひょうきん)」と評されたという逸話も残っています。
織部には、織部黒、黒織部、総織部、鳴海織部、志野織部、弥七田織部、青織部、赤織部、唐津織部など、色も多彩で、形や模様もさまざまなものが生み出されました。
□まとめ
美濃焼は、長い歴史の中で、さまざまな技術や様式を生み出してきました。
黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部の4様式は、美濃焼を代表する様式であり、それぞれの様式には、独特の美しさや魅力があります。
美濃焼は、私たちの食卓を彩る存在として、これからも愛され続けるでしょう。
あなたも、美濃焼の魅力に触れて、日々の暮らしに美濃焼を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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